バルデナフィルはシルデナフィルに続き、世界で2番目に開発されたED治療薬レビトラの成分です。
血管拡張作用があり、陰茎へ多くの血液を流入させることで勃起をしやすくする働きがあります。
シルデナフィルに比べ即効性が高く、効果時間も長くなっていることから人気のED治療薬として知られています。
その効果の高さから、先発薬のレビトラの他にもバルデナフィルを配合した多くのジェネリック薬が誕生しています。
バルデナフィルの特徴
バルデナフィルはシルデナフィルに続き開発されたED(勃起不全)の改善に有効とされる成分です。ドイツのバイエル社が開発したED治療薬「レビトラ」に配合されています。その他にも多くのバルデナフィルが配合されたジェネリック薬が開発されています。
シルデナフィルのメリットを生かし、デメリットであった食事の影響や副作用、効果時間を改良しています。
バルデナフィルの特徴として即効性があります。ED治療薬の中ではかなり効果が現れるのが早いと言われ、服用して20分ほどで効果か現れます。効果時間もシルデナフィルより長くなり、6~10時間持続します。
バルデナフィルはED改善の働きの他に、射精までの時間を延長させる働きがあるため、早漏の症状にも有効とされています。EDの症状があり、早漏ぎみという方に効果が期待できます。
錠剤はオレンジ色の丸型です。
適用される用量は5㎎、10㎎、20㎎があり、体格によりその用量がそれぞれ使用されます。欧米人に比べ体格の小さい日本人は10㎎からの使用が推奨とされます。1日の最大用量は20㎎です。
バルデナフィルの効果・効能
バルデナフィルはシルデナフィルやタダラフィルと同じPDE-5阻害剤と呼ばれる種類の1つです。
PDE-5は血管拡張作用のあるサイリックGMPを分解する性質があるため、PDE-5の血中濃度が高まると陰茎にある海綿体の血管が縮小し、勃起が維持できなくなります。
勃起が起きると陰茎の血管内に一炭化窒素(NO)が放出され、サイリックGMPが増加し、陰茎に繋がる動脈や海綿体の平滑筋を緩ませ勃起が維持されます。
そのため、PDE-5の働きを阻害することで、勃起が起きやすい状態になります。
バルデナフィルはあくまでも勃起をサポートする働きのある成分で、精力剤や催淫剤のような効果はありません。服用してすぐに勃起が起きるものではなく、性的刺激を受けて始めて勃起が起きます。
バルデナフィルは水に溶けやすい性質があるため、体への吸収が早く効果が早く現れます。
バルデナフィルの副作用
バルデナフィルは以下の副作用が現れます。
- 血圧低下
- 顔のほてり
- 頭痛
- 鼻づまり
- 動悸
これらは血管拡張作用による症状のため、時間の経過や陰茎へ血液が大量に流入することで症状が緩和されるようになります。
出現頻度の不明な特異な副作用には以下のものがあります。
- 非動脈炎性前部虚血性視神経症
視神経への血流が減少することで、視神経に機能不全や壊死が起こり、急激な視力の低下が起こります。ED治療薬の使用に関係がある症状とされています。
- 持続性勃起症
強い勃起を起こすことで、陰茎付近にある動脈に破綻が起こることで血液が陰茎から流れず、勃起が持続し治まるのに時間がかかる症状です。
4時間以上勃起が続いたり、いつもより勃起が治まるまで時間がかかる場合はこの症状の可能性があります。
- 視覚異常
バルデナフィルの成分が視覚にも影響し、視界が青いサングラスをかけたように見える症状です。青色と緑色の区別が付きにくくなります。
副作用が長く続いたり、特異な症状が現れた場合は、服用をやめて医師に相談してください。
バルデナフィルの注意点
バルデナフィルを服用する際の注意点は以下のものがあります。
バルデナフィルとの併用ができない薬は以下のものです。
- 硝酸剤・NO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミルなど)
バルデナフィルと同じ血管拡張作用があるため、併用すると降圧作用が強く現れ低血圧症になる恐れがあります。
- アミオダロン塩酸塩(アンカロン錠)
QT延長作用(不整脈などの症状)が強く出る恐れがあります。
バルデナフィルとの併用に注意が必要なものは以下のものがあります。
- CYP3A4阻害薬・誘導薬
薬の代謝が遅くなり、副作用が強く出てしまう恐れがあります。
- 降圧剤
併用することで降圧作用が強まり、急激な低血圧症によるめまいやふらつきが起こる可能性があります。
グレープフルーツに含まれるフラノクマリン酸という成分は薬の代謝を遅らせる働きがあります。併用すると副作用が強く出てしまう、長く続くなどの場合があります。
以下の条件に当てはまる方は、体質や疾患によりバルデナフィルの服用は控えてください。
- 心血管系障害のため、性行為に危険が伴う方
- 重度の肝機能障害がある方
- 高血圧、低血圧の方
- 脳梗塞や心筋梗塞を半年以内に患った方
バルデナフィルはシルデナフィルに比べ食事との影響が軽減されています。
規定では700kcal未満で、脂質は30%までとされています。つまり、脂質が多く、カロリーの高い食事は推奨されていないことになります。そのため空腹時の服用が良いとされています。
服用後20~30分ほどで体に成分が吸収されるので、その後であればどんな食事をしても問題ありません。
アルコールとの併用は問題ないとされますが、バルデナフィルの血管拡張作用により、アルコールの周りが早くなる恐れがあります。
参考サイト
こちらのページではバルデナフィルに関して、特徴や効果、副作用、注意点の解説をしていますが、以下のサイトを参考に記事を作成しています。
より詳しい情報を得たい方はこちらを参照してください。
くすりのしおり
薬剤師が調剤する医薬品についての説明書です。製薬会社が作成しているため、正確性や信頼性の高く、内容を分かりやすく簡潔にまとめられ、逐次最新の情報が更新されています。
おくすり110番
病院で処方される医薬品の効果や副作用、用法、注意、特徴などがまとめられ、閲覧できるサイトです。1万品目もの医薬品についての解説や、Q&Aなどの情報が手軽に調べられます。
まとめ
これらのサイトは医薬品の使用で疑問に思ったことや、効果や副作用など気になることなどの情報を得ることができます。
薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬についても同様に確認できるので便利です。
総括
バルデナフィルはED治療薬の中で最も効果の表れが早い即効性に優れた特徴があります。EDの改善の他に、射精時間を延長させる早漏防止にも有効とされます。
効果時間もシルデナフィルより長く、副作用も軽減され、しっかりした勃起効果もあります。
バルデナフィルが配合された医薬品のレビトラは、国内の病院などで処方が行われています。その効果や使い勝手の良さから、バルデナフィルが配合されたジェネリック薬も多く開発されています。
特に海外製のジェネリック薬は価格が安く、レビトラと同等の効果が期待できるとされ、人気の商品となっています。